家を買うまで(5)2020年10月25日 14:54

次は売買契約と住宅ローン特約についてだ。

本筋では、住宅ローンの仮審査をパスして、それから売買契約である。さらに、売買契約と合わせて住宅ローンの本審査を出して、本審査をパスしたら、次は金消(金銭消費貸借契約)、そして融資実行・物件引き渡しとなる。

売買契約の締結時には、手付金が必要だ。一般的には物件価格の1割だから、私の場合は200万円と少しの手付金ということになるのだが、私が購入した地域ではそこまでは要らないらしい。結果、30万円だけだった。たった、それだけ。後にも書くと思うが、頭金が必要と思ってそれなりにお金を貯めたのだが、ほとんど手を付けないままになりそうだ。

で、手付金は買主が売主に支払い、決済時に物件価格から差し引かれるか、満額で決済した後に戻ってくる。買主がキャンセルする場合は手付金は戻ってこない。売主がキャンセルする場合は手付金の倍額を買主に支払う。それが民法上の手付のルール。
ただ、多くの場合、住宅ローン特約を付ける。どこの銀行からも住宅ローンが断られてしまった場合、買主側から物件購入をキャンセルせざるを得ないのだが、その際に住宅ローンに落ちたことが理由ならば売主は手付金をそのまま買主に戻してくれるという特約だ。

その特約を付けているから、仮審査の段階でどこの銀行も落ちてしまったとしても、手付金が戻ってくるだけで終わりとなる。だから、仮審査の結果が出ていない状態で売買契約しても問題ないというわけだ。

結局、売買契約した次の日に最初の銀行から結果が来て、満額可、条件無し、金利も安めな内容だったから、住宅ローン特約の恩恵にあずかることはなくなった。

売買契約はそれなりに時間がかかる。買主側の仲介業者(不動産屋さん)の宅建士が付き添い、売買契約書、重説(重要事項説明書)などの説明がある。細かなことでも気になったら確認すると良い。

購入して引き渡される物件の内容はすべてこの重説の中に書いてあるはずだ。逆に重説に書いていないことは契約の範疇にない。今年の4月に改正された民法において、それまでの瑕疵担保責任は契約不適合責任に代わった。瑕疵担保責任では、物件の「隠れた瑕疵」が発見されたときに買主は売主に対して契約の解除か損害賠償請求ができるというものだ。一方、契約不適合責任は「契約の内容に合致しない場合」に買主は売主に対して、追完、代金減額、契約解除、損害賠償のいずれか(損害賠償については他の方法に加えても可)を請求することができる。

契約不適合責任の方が買主にとっては好条件で、解釈もすっきりしている。あくまで契約した内容と対象物(引き渡された物件)の不適合があるか否かである。だから、この売買契約とその際に説明される重説の内容が重要なのだ。と、ここまで力説するのは、後でちょっと問題が生じたからなのだが。

家を買うまで(4)2020年10月25日 14:40

さて、住宅ローンである。4つの銀行(1つはフラット35)に仮審査を出したのであるが、結果はこうであった。

・A銀行 希望の満額可、条件無し 変動金利0.725%
・B銀行 希望より300万円減額 保証料の金利上乗せ
・C銀行 希望の満額可、条件無し 変動金利0.825%
・フラット35 本審査に出せばたぶん通りそう
 ※フラット35は最終的には機構が審査をするので、取扱金融機関では定かなことが言えない

いろいろあるものである。A〜Cに意図はない(イニシャルとかではない)。すべて地銀である。結果、こまめに連絡してきて仮審査の結果が最も早く、条件も最も良いA銀行に決めた。世間の常識ではA銀行の系列保証会社は審査が厳しいと言われていたのだが、結果的に最も良い条件なのだ。
不動産屋さんの担当者と銀行担当者のコネというものもあるようだし、A銀行は審査はたしかに厳しいが、審査が通れば条件は緩めという話も聞いた。

話は前後して、仮審査の結果が出る前に物件の売買契約を結んだ。本筋では、仮審査をパスしてから売買契約なのだろうが、住宅ローン特約を結んでいるので順序が逆でも良いらしい。

住宅ローン特約とは何ぞや。その辺の話はまた次で。

家を買うまで(3)2020年10月25日 14:13

結局、戸建を買うことになった。不動産屋さんに行って、まずは1週間ほど物件を押さえてもらう。この時点では申込金1万円だけだった。

合わせて住宅ローンの仮審査を出す。銀行3つとフラット35で、4つの申込書を書く。この時点では書類は最低限にしか要らない。念のため必要そうな書類は全部取っていたのだが、そこまでは要らなかった。せいぜい本人確認資料(私の場合はマイナンバーカード)のコピーを取られたのと、会社経営者なので2年分の確定申告書のコピーを渡したくらいである。

不動産屋さんは手慣れたもので、2,250万円の物件を2,100万円で買うことにしましょうと言い、2,600万円で住宅ローンの仮審査に出してみましょうと言う。
なんなんだ、この数字のマジックは?と思ったが、まず2,250万円で売りに出ている物件(中古)を、2,250万円で買う人はいない。相対取引だから多少の値引きは当然なのだ。だから、2,100万円で買うと売主に伝えて、あとは売主の意向を聞くというわけだ。結果的に、2,100万円にはならなかったが、2,150万円にはなった。あっという間に100万円安くなった。

ローンの方は念のためである。銀行は審査でOKとした金額からマイナスになる分には何も言わないが、プラスになると再審査になる。だから、余分目に仮審査は出しておくのだ。
中古物件を買う場合、本体価格以外に、仲介手数料、登記費用、司法書士報酬、10年分の火災保険料などがかかる。さらに、うちの場合はリフォームを入れる。住宅ローンの融資に必要な手数料の類もある。それを合算すると、やはり2,600万円くらいが妥当になってくるのである。

そんなやり取りを9月19日に行った。土曜日だし、4連休で火曜日まで祝日ということもあり、銀行の仮審査の結果が出たのは28日のことであった。日数にすると10日目だが、営業日では4日目に結果が出たことになる。

ただ、4日目に結果を出したのは1つの銀行だけであり、それ以外はまだ何日かかかった。結果的に最初に結果を出した銀行に決めた。この銀行は仮審査に出した当日に電話確認をかけてきたり、やる気が見えていた。

家を買うまで(2)2020年10月24日 17:32

家さがしを始めて最初に考えたのは、そもそも自分が住宅ローンを組めるのか?であった。住宅ローンが一発OKになるのは、医者とか弁護士、公務員、大企業の正社員ということで、私はそのどれでもなく、ほぼ1人会社の社長である。1人会社の社長としての経験は7年くらいあるが、1人→ほぼ1人になるときに会社を新しく作り直したので、そこからは2年しか経っていない。会社を作って2年は、住宅ローンの審査に入れる最低条件である。

年齢的にあまり長いローンは組みたくないし、せいぜい20年(結果、25年にはなったが60代中盤までには終わる)で、あまり無理せず・・・と考えると、築10〜20年くらいのマンションというのがいい線だなと思った。
早い人なら30代前半で家を買うだろう。その人たちが、今の私の年齢になった頃には家は築10年くらいになっている。だから、今から買うなら、それくらいの家で良いだろう。そんな風に思ったのだ。

結果的に、マンションではなく戸建になり、中古であることは同じだが築年数は5年も経っていない。紆余曲折あると、結果はこうも変わるものだ。

それでも、家選びの最後まで中古マンションは残った。今回購入する戸建より、そのマンションの方が立地的な利便性は高そうだった。ただ、ちょっとスーパーが遠いねとかはあったから、点数にすれば70点台でしかなかったが。
だが、結局は即断傾向にある奥さんの即決である。この部屋(マンション)では洗濯物が乾かないと言われたら、ぐうの音も出ない。

家を買うまで(1)2020年10月24日 17:17

このブログを始めたというか、AsahiNetと契約するに至ったのは、家を買うことになったからである。戸建の家を買って、そこにネット回線を引かねばならない。今まで住んでいたのはマンションばかりで、そういうところは簡単にネットが引けるが、戸建となるとそうもいかない。

それはさておき、せっかく自分の家にネットを引くのだから、固定IPでいろいろ遊びたいというのが人の常である。だから、固定IPを安価に導入できるプロバイダとしてAsahiNetを選ぶに至ったのだ。

さて、家を買うまでである。長い話になるだろうから、あらかじめ(1)としておいた。
家を買おうと思い立ったのは、自分自身が40代になって、結婚もして、そろそろ落ち着きたいと思ったからだ。落ち着きたいのは主に仕事なのだけど、社会人になって上京して以来、20年間主に東京で過ごしてきて、仕事も東京でやって。だけど、数年前に独立して企業支援みたいなことをやりたいと思ったときに、自分が今後も腰を落ち着け続けるかどうかわからない東京で、そのお客さんを探して良いものかと思った。企業支援はずっと続く仕事だから、頼む方はずっとその地域にいるだろう人に頼みたいだろう。だから、結局のところ、私はそういう仕事をほとんどしないまま、それまでの延長線上にあるような仕事をしていた。

だけど、このタイミングで家を買って、腰を落ち着ける場所ができたなら、もう一度、その場所で企業支援をきちんとやれるのではないか。地域に根付くことができるのではないかと思ったのだ。幸い、生まれ故郷に家を買い、戻ることができるのだから、格好である。

そんな具合で家を買うことを決めたのだが、あとは、買うに至るまでの道筋を少しずつ書いていこう。